こちらの記事は、2016年6月に「斜め上のトラベルライフ!」で掲載した記事の再編集版です。
ダイヤなど現在とは一部異なっているところがあるかと思います。
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2016年に関西に行った時に、近鉄の西青山駅へ寄ってきました。
そもそもあまり聞き慣れない秘境駅という言葉ですが、要するに「利用者もほとんどいない、しかも周りに人家もない秘境のような駅」というニュアンスです。
実際、この西青山駅は1日の乗降客数が数人(1人のときも!)という
今回の関西旅行はスルッとKansai 3dayチケットを購入しました。(現在は発行が終了しています)
関西エリアの私鉄や地下鉄、バスに乗り放題で3日間5,200円、2日間ならば4,000円でした。
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この日は上本町から五十鈴川行きの急行に乗ります。
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上本町から1時間半、桜井を過ぎると山がひろがり、榛原から先は一気に山岳路線の顔になります。
一旦、名張では市街地が広がるものの、すぐさま山の中へ。
スルッとkansaiのエリアは青山町駅まで。
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車内で西青山駅までの乗り越し区間分を購入して、いよいよ西青山駅です。
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西青山駅自体は、30分に一本は電車が来る便利な駅です。
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えきから時刻表→ http://ekikara.jp/newdata/ekijikoku/2705011/up1_24501031.htm
駅前に何もないだけで…。
ホームはトンネル手前の高架部分にありますので、さっそく改札口に降りてみましょう。
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無人駅というのは事前調査で知っていたのですが、予想よりは綺麗でした。
ただ、何とも言えない雰囲気、言葉が悪いかもしれませんが「生命反応が全くない」という感じです。
こんな無人駅ですが、一応pitapaの精算機は完備しています。
緊急連絡用に、伊賀上野駅に通じるインターホンもありました。
さて、駅の外に出てみましょう。
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この駅舎が出来たのが昭和50年(1975年)
大阪線の路線が付け替えられて新青山トンネルが開通した時に出来ました。
ルートが変わったので、駅も前あった場所から1キロほど移設されました。
なので、人家が全くない山の中に近代的な駅が誕生したのです。
駅前には電話ボックスがあるだけ。自販機もありません。
旧路線が通っていた跡地が今も残っているそうです。
この下の写真に「青山高原」の看板をたどると行けるそうですが、
目の前に大きなハチがブンブン飛び回っていてあきらめました…。(ヘタレ)
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駅前の国道165号線も、時たま車が通る程度の道で孤独感を簡単に味わえます(笑)
30分強の滞在でしたが存分に楽しめました。
さて、駅前の綺麗な川を見ながら帰りの電車を待ちます。
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ところがこの日、近鉄名古屋線で人身事故があった影響で、
伊勢中川から名張行の電車が遅れていました。
時間になっても電車が来ない…。
しかも案内放送も全くないのはちょっと不安です(笑)
10分遅れで来た普通列車に乗り、車内で切符を購入。
名張でこちらに乗り換えます。
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伊勢志摩ライナーのデラックスシートと先頭車両のビューを楽しみつつ大阪へ戻ったのでした。
さて、この新青山トンネルが完成した背景には悲しい列車事故がありました。
もともと、このエリアのみ単線だった近鉄大阪線。
複線化工事の計画を練っていた昭和46年10月25日、
近鉄大阪線の列車同士が正面衝突事故を起こし、25名の死者を出す惨事となりました。
(※事故があったのは旧青山トンネルではなく隣の総谷トンネルでした)
のちに「近鉄大阪線列車衝突事故」として知られる大事故でした。
その事故を契機に複線化工事が一気に具体化し、複線のトンネルを新たに掘るプランが実行されました。
それが新青山トンネルです。
開通が事故の4年後ですから、工事のスピードの速さが分かるのではないでしょうか。
その工事によって、西青山駅は以前のルートから離れた現在の場所に移設された訳です。
当時のトンネル工事などの映像がニコニコ動画で公開されています。
【近鉄】大阪線全線複線化工事記録
※再生前に埋め込み画面左下の「吹き出しマーク」を押して、「コメント非表示」にすることをお勧めします。
映像を見ると、この事故・そして名阪間の輸送力増強のために近鉄が総力を挙げたことが分かります。
新青山トンネルを挟んで反対側(=名古屋側)にある東青山駅前には近鉄運営の「東青山四季のさと」という公園がありますが、これはトンネル建設に伴う作業エリアの跡地と思われます。
公式に認められているわけではありませんが、事故犠牲者の慰霊のための公園という側面があるという話もあります。
そうした歴史をたどると、今の西青山駅が寂れているのも仕方ないのかな、という気持ちにさせられます。
今は快適なルートですが、その影を肌で感じた西青山駅探訪でした。