長野情報

【特別豪雪地帯】長野は日本政府公認の豪雪地帯だった!【豪雪地帯】

長野は雪が多いというのは誰でも知っていることです。

だからなんとなく「長野は豪雪地帯なんだろうなぁ」と思いますよね。実は、きちんと法律によって「特別豪雪地帯」「豪雪地帯」が決まっていることをご存じでしょうか。

法律上の豪雪地帯・特別豪雪地帯

もともと昭和36年に全国的に豪雪に見舞われ、多くの被害が出たのがきっかけでした。

三六豪雪

昭和35年(1960年)12月下旬から昭和36年(1961年)1月・2月にかけて、日本海側を中心に発生した豪雪災害のことである。死者・行方不明者119名、そして各地で交通通信が麻痺するに至り、国鉄の列車が立往生するなど、大きな被害が出た。(北海道開発土木研究所月報№599 2003年4月号)

これを受けて昭和37年に「豪雪地帯対策特別措置法」が可決され、豪雪地帯が指定されています。そして特に雪の被害が大きい地区を特別豪雪地帯として昭和46年に追加指定されました。法律の目的としては

豪雪地帯において、雪害の防除その他産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策を樹立し、その実施を推進することにより、豪雪地帯における産業の振興と民生の安定向上に寄与すること。

となっています。なんと日本の国土の半分が豪雪地帯、そして国土のおよそ20%が特別豪雪地帯に指定されています。

北日本はほぼ豪雪地帯(または特別豪雪地帯)ですが、宮城県の三陸沿いや仙台市などは指定されていません。仙台市でも、山沿いの旧宮城町や旧秋保町は豪雪地帯です。このように同じ自治体の中でも、豪雪地帯になっているところとそうでない地区があるのが興味深いです。

「特別豪雪地帯」も「豪雪地帯」も「それ以外の地区」もある長野市!

仙台市のように、同じ自治体の中でも一部分は「豪雪地帯」、そして別の地区は未指定というところがあります。

長野市はと言いますと、なんと市内で「特別豪雪地帯」も「豪雪地帯」も「それ以外の地区」もが混在しています。

特別豪雪地帯旧戸隠村エリア、旧鬼無里村エリア
豪雪地帯旧七二会村エリア、旧大岡村、旧信州新町エリア、旧豊野町エリア、旧若穂町エリア、旧長野市エリア
それ以外の地区旧篠ノ井市エリア、旧川中島町エリア、旧更北村エリア、旧松代町エリア

戸隠や鬼無里エリアが特別豪雪地帯なのは納得です。

そして、旧長野市エリアが豪雪地帯となっています。おおむね、犀川よりも北側のエリアは豪雪地帯、犀川の南側は指定外ということです。とはいえ犀川の南でも旧若穂町エリアは豪雪地帯に指定されていますが、山沿いですから長野市民にとっては納得ですね。

一里一尺

北信(長野県北部のこと)の言葉に「一里一尺」(いちりいっしゃく)という言葉があります。これは北に1里(4キロ)進むと、積雪が一尺(30センチ)増えるということわざです。

東京においては4キロ程度移動しても天気は全く変わりませんが、北信では違います。長野市でも、川中島と県庁や市役所付近、さらには北側エリアで全く積雪が異なります。私は北部に住んでいるので、駅周辺や犀川の南に行くと景色が全然違います。

ぜひ移住するときの参考にしてくださいね。

長野県内の特別豪雪地帯はどこ?

さて長野県全体ではどうでしょうか。

特別豪雪地帯飯山市全域、白馬村全域、小谷村全域、高山村全域、山ノ内町全域、木島平村全域、野沢温泉村全域、信濃町全域、栄村全域
豪雪地帯中野市全域、松本市旧安曇村エリア、上田市(昭和45年以前の)旧上田市エリア、上田市旧真田町エリア、須坂市旧東村エリア、大町市旧大町市エリア、大町市旧美麻村エリア、安曇野市旧穂高町エリア、安曇野市旧堀金村エリア、飯田市旧南信濃村エリア

このように、同じ自治体でも合併前の境界線によって、豪雪地帯かどうかが判断されています。

昭和の基準がまだ生き残っている!

ところで何センチ以上は豪雪地帯といった基準はあるのでしょうか?明確な基準があります。

豪雪地帯

豪雪地帯の基準
法律に明記されているのは「昭和37年の積雪の終期までの30年以上の 期間における累年平均積雪積算値が 5,000cm日以上の地域」です。

要するに30年前である昭和7年から37年まで、平均して「1日降った降雪量を1シーズンで合計して5000センチ」になった場所が豪雪地帯と指定されます。

さらに幾つかの要件があり、割と多くの地域で指定できるようになっています

特別豪雪地帯の基準
特別豪雪地帯の基準は過去何回か変更されているようです。現在の基準では

「昭和33年から昭和52年までの平均積雪積算値が 15,000cm日以上。または、平均が10,000㎝でも最高20,000㎝以上で最低5,000㎝」ならば特別豪雪地帯に指定されるそうです。

こちらもさらに幾つかの要件があり、やはり指定されやすいようになっています。

つまり、昭和の(しかも戦前の)統計をもとに指定されているのが興味深いです。しかも過去の統計ですから、「基準そのもの」が変わらない限りこのままでしょう。

今シーズンの長野のように、雪が相当少なくても豪雪地帯には変わりがないんですね。

※アイキャッチ画像は、Copilot Image Creator によるAI画像